1882年(明治15年)4月１７日 開拓使残務御用掛稟候矯竜丸船室内ニ於テ紛失ノ官金十三年度経費中棄捐ニ処分ス
著者：御用掛矯竜丸会計方中島友俊／／御用掛矯竜丸船長西田守信
これは８００圓あまりの大金が船室から盗まれた事件。
十五年四月十七日
開拓使附属船矯竜丸経費金船室内ニ於テ紛失ニ付棄捐
開拓使残務取扱御用掛伺
開拓使函館支庁附属汽船矯竜丸経費金八百五円在
中カバン一箇船室内ニ差置候分函館ニ於テ諸荷物
揚陸ノ節見失候ニ付即時捜索候ヘトモ不見当旨同
船ヨリ届出候ニ付取調候処別ニ疑敷状態無之全ク
管守方粗漏ヨリシテ窃取セラレ候義ト相見得候ニ
付賊跡探偵方百方手ヲ尽シ候ヘトモ干今難相分候
間右金額ハ十三年度定額内ニ於テ棄損ニ相立候
様致度此段相伺候也 十五年二月十六日
伺ノ趣聞届候事 十五年四月十七日
但主任ノモノ粗漏ノ廉ハ相当処分ニ及ヘキ義ト
心得ヘシ
大蔵省上答
このあとも数か所、カバンに触れる記述が出てきます。
右金員は同年十一月十九日當廳舎会計課より受取書類と共にカバンへ入置候
儘にて十二月四日迄の間曽て調査候義も無之「カバン」は何日迄同室内に有之候哉
承知不致
盗難訴書
一 薄茶色カハン 丈 壹尺 巾壹尺五六寸位 壹ツ
(以下省略)
でもって、盗難事件が発生した船、矯龍丸の船長と、盗難に遭った本人の進退伺が出されています。
- 公開日 2023-01-10
- 最終更新日 2023-01-20
- 投稿者 太田垣