1880年(明治13年)01月12日艦船用金箱一定ノ御備付相成度義伺
船に備え付ける金箱(金庫)についていろいろな意見があって、鉄製やら木製やら、胴乱でもいいのではという考えもあるが、現場からの要請も主計局からの意見も、似たようなもので、艦長用には鉄製の物、主計室には帳簿も入る大きさの木製のものにしましょう、という話。
艦船用金箱一定ノ御備付相成度義伺
諸艦船御備付金箱之義ニ付別紙ノ通主船局ヨリ照議ノ趣モ有之候間東海鎮守府其他艦船所轄工及協議候処意見申出候向モ有之候得共大同小異ノ趣旨ニシテ致底盗火難予防ノ外ニ無之候条鎖鑰ノ堅牢運搬ノ自在等ニ専ラ注意シ品位及ヒ個数ハ主船局長見込ノ通鉄製ト木製トノ二個其状ノ大小ハ艦船ノ大小ト其位置ノ広狭ニテナ君フベシヲ以テ一艦船ノ御備付ニ御定相成候様仕度此伺出候也
十三年一月五日 会計局長 海軍大書記官有馬純行
海軍卿川村純義殿
追テ当局ヘ金銭納受ノ節提蒂ノ為メ胴乱ヲ要スル等モ可有之候ニ付右ハ別段上申御許可ノ上申御渡相成候方ト存候此段予メ副申仕候也 伺之趣聞届其旨主船局ヘ相達候事
明治十三年一月十二日
諸艦船用金箱之義鉄製ノ品請求有之都度渡方取計候処従来艦船備付ノ定個数無之或ハ銭製或ハ木製等申出中ニハ提胴乱ヲ要スル等格見込次第ニ有之渡方ニ於テ差支候ニ付自今品位箇数共一定致シ度就テハ此際金箱二個ヲ以一艦備付ノ定数トシ内第一金箱館長立会開閉スルモノヲ銭製第二金箱主計室ニ備付ノモノヲ木製出納簿モ入得ル品ト御定メ相成候方哉ト存候得共猶御勘考ノ上何■ノ御見込御示シ相成度差向申出ニ相成居候艦船モ有之候付若シ御別存モ無之候者鎮守府等エハ其御局ヨリ御照議ノ上其段一般ニ御伺定相成度ト存候条此段及御協議候也
十二年十月一日 主船局長 長谷川書記官
会計局長 有馬書記官殿
- 公開日 2023-02-25
- 最終更新日 2023-02-25
- 投稿者 太田垣