1901年(明治34年)東京高等商業学校の「皮革賣買慣習取調報告」

一橋大学機関リポジトリ(HERMES-IR)に、1901年(明治34年)に発行された、東京高等商業学校の「皮革賣買慣習取調報告」という報告書がありました。

この報告書は、一橋大学の前身である高等商業学校に在籍していた優秀な生徒に、夏季休暇中に旅費などを与えて各地の商工業の様子をレポートさせるというもので当時「修学旅行」と呼んでいたようです。  

明治三拾四年  
皮革賣買慣習取調報告  
本科三年生  
稲村修三  

この資料の位置付けについては、一橋大学附属図書館研究開発室年報の論文「東京高商の修学旅行とその報告書」(杉 岳志 2013/3)に詳しいのでそちらを参照してください。 <br> 中身はというと、36ページに及ぶ力作のレポートで、若者が独力で調査したにしてはかなり詳しいもので、当時の皮革の輸入状況等を伺うことができます。毛筆縦書きで、読みにくいので解読するだけでも骨が折れますが。目次だけ少し書いておきます。

第一章 産地及産額
第二章 種類
第三章 製造法
  第一節 熟皮の製法
  第二節 鞣皮の製法
  第三節 毛皮の製法
   附記 比較の黴を防ぐ法
第四章 輸出入 額
第五章 清印韓の貿易
第六章 荷造及相場の建方
第七章 内地集散の状況
第八章 売買慣習
  第一節 内地に於ける慣習
   第一 屠殺場より製造者若くは問屋の買入るる手続
      毛皮の内地に於ける慣習
   第二 商■買        ←商館?
   第三 商■売        ←商館?
   第四  輸入

  第二節 外国に於ける慣習
   第一 印度に於ける慣習
   第二 支那に於ける慣習
第九章 用途

鞄に関する記述は最終章にカタカナで「カバン」として登場します。明治34年の報告書ですが片仮名で書かれています。
読めないところが多いので、わかる方はぜひ教えていただきたく思います。

第九章 用途
皮革の用途は主として馬具、引具、靴、__、カバン、_籍
及其他軍用品なりとす 和製品は主に鼻緒袋物瓜
_馬具_に用ひ洋式_製せられしものは靴___ 革__用らる __は厚くして厚_不__なきを要(以下略)


  • 公開日 2013-12-01
  • 最終更新日 2013-12-01
  • 投稿者 太田垣