明治19年の「カバン」の用例を中心に見ていきます。
1886年(明治19年) 花かるた使用法 再板
上方屋 畜生とはあんたがたの事じゃわいなと双方日論の其中へ最前より此店へ 骨牌を購入に来たりし一書生 年頃未だ廿一二歳 めいせんの着物に小倉袴を着し 最刻より双方の議論をきゝいたり購求し骨牌をカバンに入 卷田葉粉を呑みながら
出典:花かるた使用法 再板
学生が、巻きたばこをたしなみながら、かるたを買ってカバンに入れるというシチュエーションの様です。 学生と言っても、ここで出てくる書生はどうも坪内逍遥の「当世書生気質」に出てくるような、それなりにお金のあるエリートで、学生がカバンを持っていてもおかしくないのでしょう。 めいせんの着物とは、"銘仙着物"のことで、平織りの絹織物のことです。
1886年(明治19年) 百科字彙 和歌山
これは用語集のようなものです。たとえば、「カカシ 案山子(アンサンシ)」というようなかんじです。
カバン 革包(クワク ハウ)
出典:[百科字彙 (88コマ)]https://dl.ndl.go.jp/pid/1123095/1/88
ちなみにバッグ、ランドセルなどは掲載されていませんでした。
1886年(明治19年) 二十三年国会未来記
服部誠一という幕末から明治期にかけて活躍したジャーナリストが著した本。
崎尾早見は疾くに民野信知と同伴して出京の約ありしかば代議士等 を送ると間もなく旅装を整へ淳朴なる者の手軽には一の小型「カバン」 に一枚の衣替と日用の品とを収め背広の「マンテル」に縞の「ズボン」 を穿ち「カバン」を肩に掛け蝙蝠傘を手にして暁天に郷里を発し善光寺 に出でて此處にて第一番の汽車に乗り…
1886年(明治19年) 東京輿論新誌 (238)
1886年(明治19年) 農商工公報 (20)
1886年(明治19年)
- 公開日 2024-8-23
- 最終更新日 2024-8-23
- 投稿者 太田垣