哲学者の山内志朗さんがX(旧Twitter)で、「この本を読んだら哲学段位設定」みたいなことをゆるく書いていました。

面白いので、対象書籍を書き出して、自分が読んだかどうかメモっておきます。

難渋な哲学書も、2010年頃から、新しい訳書が(しかも文庫で)いろいろ出てきていて、挫折組にとっては嬉しいところです。

訳者の年齢を見ると自分とほぼ同世代あるいは若い世代だというのに気づいて嬉しいやら、原文はおろか、訳文ですら理解できていない自分が情けないやらですが、読書歴だけを見ると初段くらいはもらえそうです。

この翻訳ブーム(?)をけん引して頑張っている出版社は、光文社の光文社古典新訳文庫でしょう。基本的には注釈多めで、わかりやすい翻訳を心がけているように思います。 これに岩波文庫、ちくま学芸文庫などが続いている感じです。中公クラシックスには期待していたのだけど、息切れしてしまった感じ。

哲学初段

哲学入段者への道・追加篇

哲学段級位・天上段クラスリスト

私の場合

1.プラトン『国家』

読んだ。

難読度:★☆☆☆☆
長大度:★★☆☆☆
衝撃度:★★☆☆☆

2.アリストテレス『形而上学』

読んだ。

難読度:★★☆☆☆
長大度:★★★☆☆
退屈度:★★★★☆

読んだといっても手に取った程度。頭から読む本というよりは、百科事典のように、興味のある項目を読んでみたという感じ。理屈っぽいとはこうことだ、っていうことを感じさせる本。アリストテレスの本は、なんというか面白みがないので、いわゆる読書をしても、退屈極まりない。なぜなら今残っているものは、講義するための自分用のメモとかそういうものだからで、失われてしまったという、プラトンのような対話篇が残っていればよかったのにと思う。

で、買わなくていいので天体論とか気象論、動物運動論のような著作を読むと、彼の生真面目さが感じられる。

もうひとつ、コンピュータで使われるオブジェクト指向のプログラム言語を学んだ人なら、アリストテレスの実体や属性の考え方はわりとなじめるのではないかと思う。(もちろん歴史的には、アリストテレスの実体や属性の考え方をプログラム言語に取り込んだのだと思うのだけど)

3.アウグスティヌス『告白』

難読度:★★☆☆☆
長大度:★★★★☆
衝撃度:★★☆☆☆

これを読む前に、新約聖書は基礎として読んでおいた方が良いが、読まなくてもなんとなく読み進めることはできる。 宗教者の哲学書は、悩み相談室的な哲学の使い方にも有益なのだけど、それ以上によく注目されるのは時間や記憶といった分野に関する考察である。

講談社学術文庫から出ている(出ていた?)山田晶さんの「アウグスティヌス講話」 でも、日本の仏教と対比した考察が出てくるが、個人的には、歎異抄なんかに通じるものがあるようにも感じた。「告白」とあるように、考えを深めてゆく過程が読み進めやすくもあり、まどろっこしくもある。

4.デカルト『省察』

難読度:★☆☆☆☆
長大度:★☆☆☆☆
衝撃度:★★☆☆☆

お、方法序説ではなく、省察が入るんだ。

あと、『省察』を読むのなら、『省察』に至る前に、『方法序説』と『哲学原理』を先に読んでおいたほうがいいかも。

大雑把な感覚でいうと、『方法序説』で「我思うゆえに我あり」の原理を述べ、『省察』で神との比較において人間の(特に身体の)不完全さと理性の働きを考察してゆく。 これが、いわゆる「心身二元論」につながり、「心身二元論」を、そのあとの『情念論』で深めた、というかんじだろうか。 「我思うゆえに我あり」って、現代の感覚とはかなりというフレーズがひとり歩きしがちだが、神の存在を証明するための方法としてこのフレーズがあるように感じた。

5.スピノザ『エチカ』

難読度:★★★☆☆
長大度:★★★☆☆
衝撃度:★★☆☆☆

好きな本。孤高の星という感じ。コナトゥス(Conatus)という概念を得るだけで、いじめられて不登校になっちゃった子供たちの何割かは再生できるのではないかと思ったり。

人間のすべての振る舞いを数学的な証明様式で包括的に記述して、これで証明完了!と言っちゃった人。「神」というルート・オブジェクトだけが存在し、すべてのことはルート・オブジェクトのプロパティだと言い切ってしまう。

意図的に数学的な証明方法を取っており、ある種無味乾燥で、例え話などもほとんどないので、決して読みやすいとは言えない。

岩波の畠中訳は、50年以上前に出版された翻訳。 それに対し2007年に出版されたのが中公クラシックスの工藤・斉藤訳。

準備運動として、國分 功一郎の『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』がいいかな。

あるいはこの方の書いたNHK 100分de名著から入るのでも良し。

6.カント『純粋理性批判』

難読度:★★★★☆
長大度:★★★★☆
衝撃度:★★★☆☆

大学のとき読んだ。

私が学生の頃手に入れることができたのは、せいぜい岩波文庫の篠田英雄訳しかなかったが、今は文庫でも色々あって嬉しい限り。

私としては、篠田訳がしっくりこなかった(というより意味が分からなかった)ので、古本屋で天野貞祐訳を探したり、実践理性批判も波多野精一&宮本和吉訳を探して読んだりした。天野訳は一時、講談社学術文庫から復活していたが、すぐに消えてしまった。

2023年の今だと、角川選書の御子柴訳、光文社古典新訳文庫の中山元訳なんかが元気なようで、おそらくは中山元訳が新しい時代のスタンダードになってゆくのではないか。

ちなみに、『純粋理性批判』に至る前に「プロレゴメナ」を読んでおくほうがいいと思う。中公クラシックスは、人倫の形而上学の基礎づけと合本になっているので、そちらのほうがお得かも。

解説書としては、高峯一愚の「カント講義」が推奨なのだが、古い本でなかなか手に入らない時期もあった。最近、Kindleでも手に入るようになって、今でも初学者には重宝する本ではないか。

7.ヘーゲル『精神現象学』

難読書の最高峰。最初のうちは、エベレストのごとく、所詮は読みこなせないと思って読む。それでも、ヘーゲルワールドに踏み込む勇気を。(トールキンの指輪物語のような創作世界に飛び込むような気持ちで)

難読度:★★★★★
長大度:★★☆☆☆
中毒度:★★★★☆

難読度MAX。でも、ヘーゲルワールドが垣間見えてくると、中毒性があって、世の中のすべてをその視点で解釈したくなるようなところがある。 読んでいても、ヘーゲル独特の詩的表現とかよくわからない比喩が惑わすというか、邪魔をするというか。 ようするに、これはなんとなく宗教書としての魔力を持った本ではないかと。龍樹の中論とかも似たような魅力がある。

いずれにしても、初学者はたぶん歯が立たない。黙って、解説書の説明を読むしかあるまい。

まずは、準備体操としてNHK「100分で名著 ヘーゲル『精神現象学』 2023年5月」あたりから。

ヘーゲル『精神現象学』 2023年5月 (100分 de 名著) [ 斎藤 幸平 ]

https://amzn.to/48n3nI9

精神現象学の訳本や解説本について、Amazonなんかで調べたらわかると思うが、結局は何らかの形で翻訳者や解説者の思い入れが入ってしまう(入らざるを得ない)本であるということは間違いない。 まぁ、初学者はどれでもいいから読んでみるが良い。そして、一冊手にとって「やっぱり無理だ」と諦めるまえに、訳本や解説本も、いくつか当たってみるべきだろう。

文庫本でいま入手が容易なのは、ちくま学芸文庫の熊野純彦訳 と、平凡社ライブラリー(or河出・世界の大思想)の樫山欽四郎訳 だろうか、それまでの定番だったのは岩波文庫の金子武蔵訳だが今は出回っていないみたい。あと、平易だと人気が高かったのは90年代の終りに出版された長谷川宏訳だがこれも今に続いていない所を見ると、。

精神現象学 上 (ちくま学芸文庫 ヘー10-1) / 訳 熊野純彦

精神現象学(上) (平凡社ライブラリー) / 訳 樫山欽四郎

結局、誰が訳しても誰かから文句が出て、難しすぎて売れないから廃盤になってしまうのかな。

そういえば、西田幾多郎も「続思索と体験・『続思索と体験』以後」の中で、自分の研究がわかってもらえず、ヘーゲルの論理学は昔の論理学からすれば破綻しているように感じられるが、それと同じように自分の研究も他の論理学の立場から見れば破綻しているけど、そこを超えて考えているだ、みたいなことを言っていたな。

8.ハイデガー『存在と時間』

難読度:★★★☆☆
長大度:★★★☆☆
衝撃度:★★☆☆☆

大学のときの京大系先生は「有と時」のほうがいいと言っていた。 日本語訳にも学閥(?)的なものががあると感じた瞬間だった。

一方で平成の御代を通じてハイデガーの研究が進み、ナチス加担疑惑がだんだん濃くなるのと並行し、ハイデガーも影が薄くなってきているようだ。

岩波文庫の[熊野純彦訳]() は全4巻、光文社の[中山元訳]() は、とにかく解説が多めでなんと全8巻。ちくま学芸文庫の[細谷訳]() なら全2巻。 どれでもいいからつべこべ言わずに読めといいたい。

熊野

存在と時間 1 (岩波文庫 青651-1) [ ハイデガー ]

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中山 存在と時間(1) (光文社古典新訳文庫) [ マルティン・ハイデッガー ]

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細谷

存在と時間(上) (ちくま学芸文庫) [ マルティン・ハイデッガー ]

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9.ドゥルーズ『差異と反復』

難読度:★★★★☆
長大度:★★★☆☆
衝撃度:★★★★☆

難読度は付けがたい。文章としては読み取れるのだけど、それまでの西洋哲学の流れをそれなりに押さえておかないと、話についていけない。 カントやヘーゲルとはまったく違う難しさ。 哲学オタクに話しかけられているような感じ。 キーワードは「差異」であり「同一性」である。

読むとしたら河出文庫一択。

10.ラッセル『哲学入門』

難読度:★★☆☆☆
長大度:★☆☆☆☆
印象度:★★☆☆☆

オーソドックスな西洋哲学の入門書としてたしかに必読書だと思う。

バートランド・ラッセルは論理学を中心に、近代の数学と哲学に大きな影響を与えたという意味でアインシュタインのレベルでもっと知られていい人物だと思う。 ラッセルの記述理論とか言語哲学のような世界を少しかじってしまうと、(私の生業で)部下が書いたコンピューターシステムの仕様書なんかをレビューすると、その曖昧さに疲れが倍増するという副作用が出てくる。

11.プラトン『テアイテトス』

まだ、読んでいない。読んだかもしれないケド、忘れた。

知識とはなにかを考える本。たぶんAIを考えるときにこれを読んでいるかいないかで随分と変わってくるのではないか。 AIについてつまらんマウント取ってくるやつに、「それって知識とは言わないよね」というには使いやすい本かも。

12.プラトン『ゴルギアス』

難読度:★☆☆☆☆
長大度:★★☆☆☆
衝撃度:★☆☆☆☆

読んだ。このリストの中では(通読するだけなら)かなり読みやすい部類ではないかと。

13.アリストテレス『ニコマコス倫理学』

難読度:★☆☆☆☆
長大度:★★☆☆☆
退屈度:★★★★☆

読んだ。 なんというか、常識を持った常識人であれ、という感覚の本。読みやすいのでボリュームの割には早く読了できる。

岩波文庫は、高田三郎訳。ベースは戦前に訳されたもので、これを幾度の改訂を経て岩波文庫に収められたもの。 あとがきによれば、河出書房のアリストテレス全集(1938年)→同社・世界大思想全集(1954年)→同社・世界の大思想(1966)→岩波文庫(1973)という経緯をたどっているらしい。岩波の全集を読むような研究者を除けば、多くの人はこれで読んでいたのでは。

光文社版は、渡辺邦夫訳で2014年出版。光文社の方が注釈が多め。岩波文庫から40年余りの時間を経ていて、様々な研究成果も取り込まれている様子。

いま手元にある岩波文庫版は、1994年の36刷で、すこしだけ鉛筆の書き込みがあるだけで古本屋で1冊200円・上下合わせて400円だった。

14.ボエティウス『哲学の慰め』

読んでいない。 これはなかなか手に入れにくい。初段を手に入れるのに、これを選ぶ人はいないのでは。 ただ、中世においては、ベーシックな教養書として聖書に次いで読まれたというので欠かすべからず、ということなのだろう。

岩波文庫版は、畠中訳で戦前の出版。古書店では2000円〜3000円くらい。 筑摩叢書版は、渡辺訳で1960年代の出版。

今手に入れようとしたら、2023年発行の松崎一平訳「哲学のなぐさめ」(西洋古典叢書)税込ほぼ4,/000円くらいしかない。

15.アンセルムス『プロスロギオン』

これも手に入れにくい。

岩波文庫の出版は戦前で、長澤信壽訳。

幸いにして、中川純男が慶應大学で教鞭をとっていた時の資料が残っているので、(全編かどうかわからないけど)無料で読めてしまう。早めにダウンロードしておくべしw

2009年の授業 一部、PDFへのリンクが間違っているので、以下にPDFへの正しいリンクを掲載しておこう。

ちなみにリンクは切ってあるが1~5章の別翻訳バージョンと思われる1aというPDFも残っている

16.ロック『人間知性論』

読んでいない。

有名な本なんだけど、実は手に入れにくい。 大槻春彦訳一択で、岩波文庫版があるが長らく品切れ。古本屋を丹念にまわれば割と出てくる感覚。 Kindleでは1930年『悟性論』八太舟三訳が手に入るようだが、どうなんだろう。さすがに古すぎるのではないかと。

あとは、プロジェクト・グーテンベルクに掲載されている原書をネット翻訳を頼りに読むとか。

17.ヒューム『人間本性論』

読んでいない。

これも大槻春彦訳で、岩波文庫版『人性論』があるがやはり長らく品切れ。ロックの『人間知性論』と違い、4分冊なので、揃いで入手するのは割と難しい。で、法政大学出版局から出版されているものが、唯一の選択肢となる。3巻で20000円を超えてしまうのが難点。

18.カント『人倫の形而上学の基礎付け』

難読度:★☆☆☆☆
長大度:★☆☆☆☆
衝撃度:★★☆☆☆

大学のとき読んだ。個人的には「道徳形而上学の基礎づけ」のタイトルのほうが馴染む。 岩波文庫だと道徳形而上学原論。プロレゴメナ とあわせて、純粋理性批判のまとめまたは入門編としても使えるし、実践理性批判への入り口としても使える。

この分野も新訳がいろいろ出ていて迷うところ。光文社の中山元訳、プロレゴメナと一緒になった中公クラシックスもお得。個人的には、ちょっと高いけど、人文書院から出ている御子柴訳がしっくりきます。

19.ニーチェ『ツァラトゥストラ』

難読度:★☆☆☆☆
長大度:★★★☆☆
高揚度:★★★★☆

もう廃盤になっているようだけど、高校生の頃に角川文庫(佐藤通次訳 1970年初版)で読んだ。 訳注が巻末ではなく、そのページ内に豊富についていて読みやすく、かつちょっと文語的で格好良かった覚えがある。

あと、やっぱり、『ツァラトゥストラはかく語りき』というタイトルがしっくりくるなぁ。

今手に入るのは、以下の4冊。

  • 中公プレミアム 手塚富雄 (1973)
  • 光文社古典新訳文庫 丘沢静也(2010)
  • 河出文庫 佐々木中 (2015)
  • 新潮文庫 竹山道雄 (1953)

光文社版は、ドイツ文学者の訳なので、「文学」として読んで欲しい気持ちが強いのでしょう。注がありません。 哲学書として読むなら、注が細かい中公版の手塚訳かなぁ。格好良さもちょっと薫るし。河出の佐々木版は未見。

20.ベルクソン『物質と記憶』

読んでいない。

『物質と記憶』といえば、長らく岩波文庫の高橋里美版が定番だった。

そこにここ最近の翻訳ラッシュ。ちくま学芸文庫版は2007年のリリース。岩波文庫から2015年に熊野訳で新訳登場。そして、講談社学術文庫版は杉山訳で2019年のリリース。世間的には、最後の杉山訳の評価が高いようだ。

21.ホスパーズ『分析哲学入門』

読んだことない。 これは、1970年代に翻訳された法政大学出版局の全5巻一択で、すでに廃盤なので、古本でしか手に入らない。かなり困難。(英語版も入手困難っぽい)

こういうの、はやくKindle版で出すべき。

22.フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』

難読度:★★★☆☆
長大度:★★☆☆☆
衝撃度:★★★☆☆

中央公論社の単行本版を持っているぞ。高校生の頃「厳密な学としての哲学」を神戸・新開地の地下に並んでいた古本屋で見つけて、その後たまたま他の古本屋で見つけて買った。 難渋なフッサールの著作の中では割と読みやすい方ではないか。

大学卒業したとき一旦売っぱらってしまったけど、最近再び同じ単行本版を買った。あとで考えると、50歳代になったフッサールが「現象学を突き詰めよう!」と決意し問題意識にあふれた本と、ナチスの軍靴迫る中、軟禁状態で書き上げた本書を読めば、その間に研究してきたことがわりときれいに浮かび上がる。(とはいっても、なにか進展しているのかというと、フッサールっぽく同じ場所をぐるぐる回っている感じでもあるが) ユダヤ人としてナチスの軍靴を肌で感じながら書いていた最晩年の著作であるということと、できればデリダを読む前に読んでおきたいところ。

今では中公文庫から出ている。

哲学入段者への道・追加篇

23.プラトン『パイドン』

難読度:★☆☆☆☆
長大度:★☆☆☆☆
衝撃度:★☆☆☆☆

大学のとき読んだけどほとんど忘れている。

24.アリストテレス『デ・アニマ』

「魂について」あるいは「霊魂論」ですな。

25.アリストテレス『自然学』

26.カント『判断力批判』

難読度:★★★★☆
長大度:★★★★☆
衝撃度:★★☆☆☆ これを読めるということは、KrVとKpVを読めているということなので、なかなかハードルは高いですぞ。 真善美の美を論じた美学の本。哲学書の多くは「真」と「善」のあいだのものが多いので、美について論じている『判断力批判』は、割と稀有な存在。

手に入れやすいのは岩波の篠田訳と光文社の古典新訳文庫の中山訳の二つ。お金があれば、単行本の熊野訳や精読っぽい宇都宮訳もある。

27.ヴィトゲンシュタイン『哲学探究』

個人的には、ヴィトゲンシュタインといえば論理哲学論考なので、哲学探求の方は読んでいない。 講談社から出ている鬼界彰夫訳が一番新しいかな。

訳者の鬼界さんが著している「『哲学探究』とはいかなる書物か」という本も併読するとよさそう。

28.ドゥルーズ『意味の論理学』

読んでない。

哲学段級位・天上段クラスリスト

c1.アウグスティヌス『神の国』

c2.オッカム『論理学大全(大論理学)』

読んでない。 文庫などでは手に入らない。

c3.トマス・アクィナス『神学大全』(創文社版では5冊以上)

さすがにまとめ本しか読んだことない。

長大度:★★★★★★★★★★(笑)

巨大すぎるし、キリスト教に関する知識を要求されるし。 創文社版の神学大全は、全39巻! 中公クラシックス、岩波文庫、講談社学術文庫等から抜粋版が出ている。

c4.フッサール『イデーン』

ふっふっふ。持っているぞ。読んでみたこともあるぞ。 書いてあることは本当にわけわからん。挫折するぞ。 ありがたいお経みたい。

c5.ドゥルーズ『千のプラトー』

分厚いけど、刺激的な本。 ワイドショーのコメンテーターは、とりあえず『千のプラトー』を読むか、誰かの講義を受けることを義務付ければ、もっと気の利いたコメントが言えるようになると思う。 薄っぺらい多様性なんてものは吹っ飛んでしまう。

歴史をつぶさに検討し、未来を考察するとはこういうことなんだろうと。「原因なのか結果なのかよくわからないけど、いろんなことがつながっていて、こうなってしまっている」という今を見つめる眼がある。

c6.マルクス『資本論』

うー、勘弁してくれ。数学は嫌いなんだ。買って開いたことはあるぞ。

だけど、例えばコロナ禍のあと、会社に戻りたくない、家で働きたいって思うのが自然で、別に食っていければ8時間+通勤に2時間を費やす必要もない、って勘づき始めたのって、資本論で言っていることと重ねて考えることくらいはできる。