信用できない安物の手回しラジオ

非常袋セットを買うとだいたいついてくるのが安物の手回し発電ラジオですが、これは買ったあと必ずチェックしたほうがよいと思います。

私自身が体験したことですが、安物の手回し発電ラジオは、まずラジオとしての受信感度が極めて悪いです。 私の家からでは、電子工作のラジオでもNHK大阪放送局のNHK第一放送が、「かろうじて聞き取れる」という程度のものでした。はっきり言って実用に耐えません。

また、手回しで発電するダイナモ機構も放置しておくと故障していることがあります。あるいは充電池が完全に放電していて、ラジオが聞ける状態になるまで何十分も回し続けないといけないこともあります。

もし手回しラジオが必要ということであれば、日本の電機メーカーの手による手回しラジオもいくつか発売されていますので、あらためてそれを買った方が良いように思います。 候補としては、SONYの ICF-B99とTOSHIBAのTY-JKR5、PanasonicのRF-ND380が3トップです。後ほど詳しく。

買うなら2択

ということで、私は安物の手回しラジオは信用していません。 どうせほかの用途でも電池は必要になるので、どうせ買うならば以下の2択です。

  • メーカー品のコンパクトラジオ(単三電池)
  • メーカー品の通勤ポケットラジオ(単四電池)

通勤ポケットラジオはポータビリティに優れ、移動中でも情報を得ることができるので良いのですが、安くはないので、お金に余裕があれば、ということになります。 また通勤ポケットラジオは単四乾電池の製品がほとんどなので、単三電池で揃えたい私にとっては候補から外れます。

実は、少し前までは、SONYがFMチューナー付きワイヤレスWiFiヘッドセットを出していました。スマホとBluetoothで接続し、好みのイヤホンやヘッドフォンでスマホの音楽を聞くことができる商品でした。
この機器にSONYだけがFMチューナーを積んでいて、いざというときはスマホが無くてもFMラジオから情報を収集することができたのです。 スマホのモバイルバッテリーからUSB経由で充電するのですが、スピーカーが無いので少ない電力で長時間ラジオを聞くことができました。
しかし2019年以降のモデルではFMチューナーが省略されてしまい、たぶん今後は選択肢としても消えてしまうでしょう。

日本メーカー設計の単三電池で動くラジオを推奨

ここで重要なのは日本品質であるということ。そしてできれば単三電池で稼働するということ。
残念ながらラジオを日本で組み立て生産しいる大手メーカーはすでになく、中国で生産しているようですが、それでも長期間使わなくてもキチンと動いてくれるのは日本メーカー設計のものです。
具体的なメーカーとしては、

  • パナソニック
  • ソニー
  • 東芝

の三択になります。いずれも日本で企画して中国で製造しているメーカーです。 これに続いて、

  • オーム電機 (AudioCommブランド たぶん中国メーカーTECSUNやDEGENのOEM品)
  • 朝日電器 (ELPAブランド たぶん中国メーカーRedSunのOEM品)
  • 山善
  • ヤザワ (たぶん中国メーカーRedSunのOEM品)

などのメーカーがありますが、これらの会社が扱う製品の多くは中国の大手メーカーが企画製造した製品を、日本向けに表示などを変更したOEM品です。いや、中国企画製造品とはいえ、品質はなかなか良いですし、受信感度も物によっては大手メーカーよりも良いものがあります。

たとえば中国の大手ラジオ受信機メーカーには、TECSUNDEGENREDSUNKCHIBOなどがあり、コンパクトラジオや短波ラジオなど様々なラジオを国内向けに製造・販売している他、日本のみならず世界各国にOEM販売しています。
したがって悪かろう安かろうというものではありません。

ただ、個人的な感想としては、ソニーやパナソニックに比べるとどうしても品質に多少ばらつきがあるように思います。またDSPという高性能デジタル回路を使用したラジオは感度がとても良いのですが、その一方でチューニング操作がボタン式になっていて直感的ではないものが多く、普段からラジオを使う人であれば別にして、避難袋に入れっぱなしにしておくにはちょっと使い方が難しいかもしれません。DSPは消費電力もそれなりに食います。
そんなわけで、結局私の場合は、冒頭のパナソニック、ソニー、東芝あたりのメーカーから選びたいと考えます。

 パナソニックのコンパクトラジオと通勤ラジオ

2021年時点では、パナソニックのコンパクトラジオとしては、通勤ラジオRF-ND380を推奨します。 これに加え、コンパクトラジオRF-P155を推奨します。

RF-ND380R

普段から通勤でラジオを聴く習慣があるのなら、通勤用の小型ポケットラジオが良いでしょう。重さも100g程度です。
通勤用のポケットラジオはソニーやパナソニックから様々な機種が発売されていますが、単三電池で動くモデルはこのRF-ND380Rだけになってしまいました。
RF-P55という2000円程度で手に入るアナログチューナーもありますが、お金が許すならRF-P55よりもRF-ND380Rのほうが圧倒的に良いでしょう。 (その代わり価格も8000円〜12000円くらいと高めです。避難用袋の中にしまい込んでおくのはちょっともったいないように思います。)

単3アルカリ乾電池たった1本で、スピーカーならFMで約33時間、AMで約34.5時間の長時間使用ができるのが最大の特徴です。

スピーカーを使用せずイヤホンだけならFMで約44.5時間、AMで約49.5時間も使えます。

Panasonic RF-ND380R

RF-P155

大きさは、6インチクラスのスマホを分厚くしたくらいで、重量もスマホくらいです。スピーカーを使わずイヤホンを使えば単三電池2本で100時間くらい持ちます。操作も単純で使いやすいラジオです。大体2000〜3000円くらいで売っています。防水ラジオではありません。

単3アルカリ乾電池2本で、スピーカーならFMで約64時間、AMで約68時間の長時間使用ができるのが最大の特徴です。 スピーカーを使用せずイヤホンだけならFMで約94時間、AMで約96時間も使えます。

Panasonic RF-P155

なお、このラジオの姉妹機とでもいうべき高感度モデルでRF-U155という機種があります。こちらは3500円〜4500円くらいで売っています。山間部など普段ラジオが入りにくい地域に住んでいる方はこちらのほうが良いでしょう。

Panasonic RF-U155

ソニーのコンパクトラジオ

ソニーのコンパクトラジオとしては、(2019年時点では)ICF-P36またはICF-P26を推奨します。これも大体2000円~3000円くらいで手に入ります。 ソニーの通勤用ポケットラジオはすべて単4電池ですので、候補から外しています。

分解すれば色々違うのでしょうが、とICF-P26とP36の2機種の間では縦置きか横置きかの違いぐらいしかありません。個人的には横置きのほうが使いやすいように感じます。 ICF-P36(またはICF-P26)のいいところは、モノラル機であるにもかかわらず、ステレオヘッドフォンを挿してもきちんと両耳からモノラルで聞こえるように設計されていることです。 この機能は普段ヘッドフォンでスマホの音楽を聴いている人であれば地味に良い機能です。

ICF-P36

こちらは横置きのラジオです。
単3アルカリ乾電池2個で、スピーカーならFMで約100時間、AMで約110時間の長時間使用ができるのが最大の特徴です。スピーカーを使用せずイヤホンだけならFMで約250時間、AMで約320時間も使えます。 一日10時間聞いていても、10日もつわけです。

SONY ICF-P36

ICF-P26

こちらは縦置きデザインのラジオです。電池持続時間はP36と同じです。

AMの受信感度を左右する内蔵アンテナは普通は横に設置して角度を左右90度にまわして感度のいい方向を決めるので、アンテナが横長に設置されていそうなICF-P36の方を推奨します。
こちらも単3アルカリ乾電池2個で、スピーカーならFMで約100時間、AMで約110時間の長時間使用ができるのが最大の特徴です。スピーカーを使用せずイヤホンだけならFMで約250時間、AMで約320時間使えます。

SONY ICF-P26

番外編 AIWA / Tecsunのラジオ

2018年、AIWAが突如BCLラジオを発表しました。中身はTecsunの上級機種(TECSUN PL-310ET)のようです。すでにラジオと言えばTecsunという時代になってきています。SONYは費用対効果で後塵を拝しています。 性能的には申し分ないので、気になる方は一度Tecsun製品を買ってみてもいいと思います。

 手回しラジオ

ソニー・パナソニック・東芝のいずれも手回しラジオを出しています。避難用ラジオとしては、重量が許せばソニー製、ポータブル性重視なら東芝製を推奨します。 ただ、実際に空っぽの状態から回してみるとわかりますが、どのメーカーも結構頑張って回さないとラジオを安定的に聞くことはできません。
乾電池もきちんとしたメーカー品であれば数年間は問題なく稼働するので、電池式で数十時間聞けるモデルを選んだほうが良いのではないかというのが個人的な見解です。

ソーラー機能で一日の長 SONY ICF-B99

SONYのICF-B99は、9000円くらいするにもかかわらず今でも品薄状態が続いているヒット商品です。 手回しラジオという分野は昔からありましたが、SONYのICF-B99につながるシリーズは阪神淡路大震災、東日本大震災、そしていくつかの大きな地震災害・風水害等を経て、本気で設計された防災ラジオの一つです。 LEDライト、スマートフォン用のUSB充電、携帯電話に充電できるUSBポート、そして手回し充電機能、ソーラー充電機能、単三電池作動、JIS IPX4相当の防滴機能など、考えうる機能を小さな筐体に詰め込んでいます。 ただ、385gと避難袋に入れておくのにはやや重たく、むしろ家庭に常備しておいて停電時に使用するラジオということになります。

SONY ICF-B99

SONYのこのシリーズは本格的な日本メーカー設計の手回しラジオの元祖です。ICF-B99は、スマホへの充電も可能というのがウリです。

単4電池ながら防滴・防塵機能のTOSHIBA TY-JKR5

東芝のTY-JKR5は、単4電池で作動しますが、コンパクトでUSBポートがあるうえ、JIS IP54という防滴機能の他に防塵機能にも対応しているところに注目すべきです。
たとえ水害などで避難用のリュックが濡れたとしても、地震後のほこりっぽい環境でラジオを作動させても安定して動くというのは重要です。 また、やや専門的になりますが、充電池機能がスマホバッテリーなどのようなリチウムイオン電池ではなくコンデンサという長期保存可能な機能で設計されている点にも注目すべきです。 しかもSONY ICF-B99が385gあるのに対し、こちらはわずか188gです。1グラムでも軽く、というのであればこちらの方が良いでしょう。

TOSHIBA TY-JKR5

Panasonic RF-TJ20はちょっと癖が

PanasonicのRF-TJ20は、防災グッズ大賞2019を受賞したという触れ込みのラジオです。

写真を見ただけではラジカセみたいな大きなものを想像しがちですが、てのひらに収まる小さなラジオです。 重量288gで、サイレンやライトなどいわゆる安物の手回しラジオによくある機能がついています。 単四電池×3本という仕様は中国メーカーにありがちなパターンなので、中国で設計された商品のように思われます。 しかも防水、防滴ではないので注意したほうがいいでしょう。

Panasonic RF-TJ20

1本あたり25g換算。ラジオに2本+ライトに2本+予備4本
SONY ICF-P36なら210g,パナソニックRF-ND380Rなら160g


  • 公開日:  2021/02/01
  • 最終更新日:2021/02/01
  • 投稿者:  太田垣