職場での非常食を考えてみる

災害時・非常時の非常食は、シチュエーションによって大きく選択肢が変わるテーマです。自宅にいるのか、オフィスにいるのか、避難先で食べるのか自宅で食べるのか、あるいは徒歩などで避難している途中のエネルギー補給として食べるのか、避難直後なのか数日間のストックなのかなどによって大きく変わってきます。

ここでは、通勤先の職場で被災して帰宅困難な状態になったときに、帰宅可能となるまでの間をしのぐための非常食、というテーマで考えてみます。

すぐに無くなる食料

オフィスビルが林立している都会に通勤している場合、大企業の中には勤務している各個人向けに1〜3日分くらいの食料を備蓄しているところもあるでしょうが、大多数のオフィスでは食料の備蓄などはしていません。そのため近隣のコンビニからは一瞬で食料や飲料水、お菓子類が消えてなくなります。 どこかに避難するにしても、同じような行動をする人が何万人といるわけで、ほんの少しの移動でもすぐに数時間かかってしまいます。

小型で高カロリーで調理不要で保存がきいておいしいもの

オフィスでの個人の食料備蓄は、毎日通勤につかう鞄の中と職場のデスクやロッカーの中が良いでしょう。私の場合は、職場にワンショルダーのポーチの中に避難セットと一緒に食料を入れています。
その際ポイントとなるのは、小型であること、カロリーが高いこと、調理が不要なこと、当然保存がきくことの4点です。

ネットなどで探すときには避難用の食料で探すよりも、「登山食」「サイクリング食」などで探したほうが効果的です。ざっと見てみると、だいたい以下の5つが候補にあがります。

  • クッキー・ビスケット
  • ナジーバー系
  • パン系
  • ようかん系
  • お菓子系

クッキー・ビスケット系

クッキーやビスケットは小麦をベースにバターなどを加えて焼いたもので、日持ちがする上に手軽にカロリーを得ることができます。例えばWalkersのショートブレッド不二家のカントリーマアムなどがそれにあたります。

カロリーメイトの元ネタみたいな形の Walkersのショートブレッド・フィンガー



手に入りやすいカントリーマアム
ネットでは業務用の100枚入りなども販売しています。

同様のクッキー・ビスケット系ではミレーのビスケットグリコのビスコなどには5年保存缶などがあります。

特段長期保存品を買わなくても、普段から仕事のお供として多めに常備しておいて、災害が発生したら、これをカバンに詰めて持ち歩くというスタイルでもいいでしょう。

氷砂糖

忘れてはならないのが、氷砂糖です。原材料が砂糖だけなので特段賞味期限はありません。そしてカロリーあたりのコストパフォーマンスは最高です。1円あたり5〜6kcalくらい摂取できます。 食べればすぐに血糖値が跳ね上がります(笑)。

エナジーバー系

クッキーやビスケットからもう少し機能性食品に寄せて栄養やカロリーを考えたものとして、エナジーバーがあります。昔海外などで発売されていた非常食は、軍に納品していたようなボソボソして固く口の水分を持ってゆかれてしまうようなものでしたが、現在ではスポーツの友として食べられているものが色々あります。

日本で代表的なものとして、大塚製薬のカロリーメイトがあります。カロリーメイトにも5年間保存可能なロングライフタイプもあります。


[カロリーメイトのロングライフ(3年)製品](https://amzn.to/4aXlc2p)


カロリーメイトは小麦メインで1本100kcal、同じ大塚製薬でもソイジョイは小麦を使わず大豆メインで1本120kcal。 おすすめはブルボンのスローバー。1本190kcalで、おにぎり1個のカロリーとほぼ同じで、ビタミン、カルシウム・鉄、食物繊維などをバランス良く摂取できます。味のバリエーションもいろいろで、カロリーメイトよりおいしい(主観)。


スローバー 1本でおにぎり1個分のカロリー

エナジーバーは海外では色々出ていますが、ビーガン用だったり、カロリーよりビタミン重視だったりします。その中で比較的オーソドックスなのが、CLIF BARシリーズです。自転車の世界ではかなり有名で、最近では登山用品店でも見かけます。甘すぎないこと、水なしでも食べられること、そして自然素材でつくってあることが特徴です。カロリーは260kcalです。

自然素材にこだわったCLIF BAR


ようかん系

ここ最近新しいトレンド(しかも日本独自でしょう)は、羊羹です。特に井村屋のえいようかんは、安くてカロリーが高く、水分があって食べやすいうえに、保存がきくので、携行食としては最適です。姉妹品にスポーツようかんというものがあり、これはマルトデキストリンやパラチノースなど持続性の糖質を配合しており、腹持ちがいいのが特徴です。 会社の避難袋に置いておき、災害時に歩いて帰宅するような時に食べると良いでしょう。


井村屋のえいようかん


井村屋のSPORTSようかん


とらやの小型羊羹も、1本250〜300円くらいですが、50グラムで145〜8kcalと高カロリーで1年間もちます。非常のときだからこそ、高級店のようかんは、なおさらおいしくいただけます。


腹持ちがよく手が汚れずに食べやすく保存もきく、とらやの小型羊羹


砂糖の塊のようなものですから栄養バランスという意味では、イマイチですが、体積あたりのカロリーは他の追随を許しません。

パン系(乾パン・缶詰パン)

パン系は2つに別れます。硬い乾パン系統と、柔らかい缶詰パン系統です。乾パン系は保存食の定番ですが、とにかく食べるのに水が必要なことと味が単調になることがネックです。他にいろいろ選択肢がある中で職場に置いておく非常食として乾パンを選ぶ必要はないでしょう。

缶詰パン系は、ここ数年かなり普及し始めました。私も賞味期限間近になったものをローテーションで食べてみましたが、(ツナ缶のように)缶切り不要で手で開けられる缶詰の中に、カップケーキのようなパンが2個入っていて、しっとりとした食感で、美味しく食べることができました。ただ缶詰に入っていてカロリーの割に場所を取るため、勤務先での非常食としては向いていないかもしれません。

その他お菓子系

その他お菓子の中で見過ごせないのが飴やキャンディー類です。 チェルシーやコーヒー飴などが考えられますが、夏の暑い中で溶けてしまわないものを選ばないといけません。(オフィスのエアコンが停電で動かなくなってしまうかもしれません)
最近は、ノンシュガーなどカロリーが低いものが多いですが、避難行動中はカロリーが取れるほうがいいと思います。

比較表

No 品名 大きさ(cm) 体積(cm3) カロリー(kcal) 価格(円) カロリー/体積 カロリー/価格 保存年数
1 えいようかん 5本入 3.7×8.6×8.2 260.9 855 400 3.28 2.1 5年
2 カロリーメイト 4本入 2.0×10×10.7 214.0 400 200 1.87 2.0 1年?
3 スローバー 9本入 5.5×13.5×14.5 1,076.6 1,647 780 1.53 2.1 9ヶ月
4 CLIF BAR Nuts 12本入 24.4×14.5×6.4 2,264.3 2760 4580 1.22 0.6 11ヶ月
5 生命のパン 2個入 半径7.7×高11 2,049.0 349 400 0.17 0.9 5年
6 氷砂糖 150g 19×13×2.0 494.0 581 100 1.18 5.8 -

体積あたりのカロリーなら、えいようかん。
価格あたりのカロリーなら、氷砂糖。


  • 公開日:  2021-03-06
  • 最終更新日:2021-03-06
  • 投稿者:  太田垣