1887年(明治20年6月17日 官金紛失の義届

著者:募兵使海軍少佐 増田孫作

これもまた、盗難事件の記録。 海兵を募集する担当の海軍少佐が、青森県五戸村の宿屋で夜中に盗難に遭い、カバンに入れていた 出張費など110円程を盗まれたという報告。

増募第二十九号
官金紛失之義御届
一金五十円   元受金高百円ノ内
右徴募巡回中公用物運搬及電信
郵便料等ノ諸費トシテ客月東京出
発前家計局ヨリ受込ミ金金額百円ヲ
分テ二封トシ一封ヲ日々ノ消費ニ充テ一封ハ堅
緘ノ侭小官所有ノカバン中ニ収メ置候処本
月十四日青森県下陸奥国三戸郡五戸村旅
人宿波岡保人方止宿之節夜中何者トモ
知レス同家ノ裏ラ口ヨリ忍入リカバンヲ戸外ニ
持出シ之レヲ破■シ中ニ収メ置候私金百十余
円ト共ニ盗去リ候右ハ警察官立会相検
メ候義ニ付別紙五戸分署長証明書相添
此段御届仕候也
明治二十年六月十七日
在青森県
募兵使海軍少佐 増田孫作
海軍次官子爵 樺山資紀殿
追テ本文窃盗捜索ノ義ハ青森岩手両
県ヘ照会致置候也


  • 公開日 2023-01-10
  • 最終更新日 2023-01-20
  • 投稿者 太田垣