1880年(明治13年)05月13日水兵児玉初太郎罪案

軍から抜けて脱走したり、他人の鞄から金品を盗んで拘置謹慎中だったのに、それも抜け出してまた同じ事をした男の処分の話。

起案月日 明治十三年五月十三日
二等若水兵児玉初太郎罪案
営内仮禁錮所ヲ脱出シ一時行程ヲ逾ユル者軍律第百四十三条ニ擬ス
杖五十禁錮四十二日

在東海水兵分営二等若水兵 児玉初太郎
其方儀曩キニ脱営及窃盗ノ科ニ依リ屡処刑ヲ受ケ尚又本年二月七日渡付ノ胴乱ヲ遺失スル賍金三銭同輩山根種松ヘ渡付ノ胴乱ヲ窃盗スル賍金三銭餘及び営内仮禁錮所拘置中脱出一時行程ヲ■ヘ旦無代遊興スル賍金拾円六拾四銭餘右数罪ノ内一ノ重キ脱出ノ科軍律第百四十三條ニ擬シ杖五十禁錮四十二日申付ル

「曩キ」は、「先」と同義で「さき」と読みます。また、「賍金」は見慣れない単語だが、不正に手に入れた金のことを言います。


  • 公開日 2023-02-25
  • 最終更新日 2023-02-25
  • 投稿者 太田垣