1879年(明治12年)09月30日水垣十等属所持品紛失の件造船所外届

横須賀分庫に詰めている兵士が、9月28日に新橋停車場で胴乱を紛失した届書。 胴乱に入れていた内容物がつぶさに記されています。少し長いですが、面白いので内容物を全部書き出しておきます。胴乱の大きさが記されていないのが残念ですが、革製だったようです。

水垣十等属紛失品御届
横須賀分庫詰十等属水垣福久義去ル二十八日新橋停車場ニ於テ所持品紛失之義別紙之通届出候ニ付書類添此段御届仕候也
(中略)
紛失之品
一 胴乱 但皮製 一個

海軍省印鑑 一枚 但番号記臆不致
造船所長宛出京願指令済 一通
黒水牛印形朱肉壺共 一個 但篆書ニテ福久
藍地糸入小倉織袴 一着
紫 縮緬呉風呂敷 二枚
石摺折手本     二本
  但内 壱本 菱湖行書千字文 壱本 何書咸哉記臆不致
白足袋十文  壱足
茶博多紙入  壱個
三つ折小刀 ナイフ  壱本
扇子 但霞金沙模様付  壱本
半紙界手帳雑記   壱冊
草色表紙手帳履歴留  壱冊
四ツ折手帳宿所留   壱冊
外ニ雑書
コウモリ傘  但銭色𥿻張八本骨  壱本
水垣十等属紛失品之義ニ付別紙之通造船所ヨリ届出候条為心得此旨相相達候也
明治十二年十月七日 海軍卿
裁判所次長

銭色とあるのは、おそらく鉄色という意味だと思われます。𥿻は、絹の異体字。


  • 公開日 2023-02-25
  • 最終更新日 2023-02-25
  • 投稿者 太田垣