1888年(明治21年)砲兵射撃教範附録. 野山砲標的之部

砲兵射撃教範附録. 野山砲標的之部という明治21年9月13日発行の書籍に、カバンという記述があります。

第四章 標的設置用器具材料
器具表
携帯カバン
絡車
索籠
運送小車
(以下略) (P.04)

器具表には

 圖 號  名 稱    員數  適要
第三十九圖 携帯カバン  一   麻布製

とあります。本文には以下のように書いてあります。

此(カバン)は麻布を以て造りたるものにして標的設置必要器具
材料などを納め使役又は工人に携帯せしむるものとす即ち収入品
は前表の如し
但し此(カバン)に換ふるに古背嚢を用ふるも亦可なり
(P.46)

砲兵射撃教範附録. 野山砲標的之部 附図もあります。こちらには、上記携帯カバンの具体的な図があります。寸法は記載されていませんが、中に収納する小刀やカナヅチ、キリなどから大体の大きさは推察できます。麻布製ということですが、ショルダーストラップには革が使われていたかもしれません。鞄の形状からして、移動中に荷物を取り出したりする用途には使いづらい構造になっています。

砲兵射撃教範附録. 野山砲標的之部 附図 18コマ


  • 公開日 2020-12-29
  • 最終更新日  2020-12-29
  • 投稿者 太田垣