1876年(明治9年) 近事評論
近事評論という24ページ程度の小さな冊子に、「カパン」という言葉が確認できる。
明治9年8月12日
政府間謀を使用するの訛言
旧新聞記者の動静
一士族の狼狽
と書かれてあり、
中島勝義という元新聞記者の動静について書いている記事の中で、以下のような文章がある。
中島勝義は頃日曙社編輯長の印綬を解き或る友人の添書を乞ひ得倉皇鹿児島に赴けり其事火急に出つるを以て知友に告別するに遑らさりしと云ふ
又一説に拠れは勝義の此行は某参議の旨を含み七八十円の旅費を領収し大「カパン」を買ひ行李を整頓し意気揚々として東京を発したりと云ふ
出典 「近事評論 」
倉皇:あわてふためくこと
『近事評論』は、林正明が主宰する出版社から発行された自由民権主義の政治雑誌であり、士族問題・条約改正・朝鮮問題・琉球処分・問題などを鋭く論じつづけ、たびたび発禁処分などに遭っている。
- 公開日 2024-07-29
- 最終更新日 2024-07-29
- 投稿者 太田垣