月別アーカイブ: 2011年7月

【本】Koto Bolofo : La Maison

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この本は、Designer Leathers GOさんのブログで存在を知ったのだが、調べてみると海外のネット上でもアートやフォトグラフの領域で話題に上っている本のようだ。 エルメスの裏側の撮影を許された著名な写真家コト・ボルフォによる11分冊1セット3万円という豪華写真本である。

Photographyblogのエントリーでは、2010年12月のプレスリリースが掲載されている。(以下、かなり意訳)

コト・ボルフォの夢は、モンド・ド・エルメスというエルメスの月刊誌で働き始めた2004年に現実のものとなった。そして、デュマ社長に会ったときに社長からどこから来たのかと尋ねられた。南アフリカからだと答えたところ、南アフリカのどこかと尋ねてきた。レソトだと答えると、デュマ社長はたいそう驚いた。
実は、彼の先祖がレソトで宣教師として活動しており、ズールー族は宣教師活動を妨害していた。しかし、コト・ボルフォの部族であるバントゥー系のソト族は、宣教師を守っていたのだ。デュマ社長はボルフォのことを「いとこ」と呼び、ボルフォは、エルメスの中で好きなものを何でも撮影してよい旨の「白紙委任状」を手にした。
その後6年間にわたり、コト・ボルフォはエルメスの職人と交流を深め、ハンドバッグ、香水、スカーフ、プレタポルテ、靴やその他馬具やサドルなどあらゆる商品がどのように作られるのかをカメラに収めた。
Nownessにも同じようなインタビューと美しい写真が数枚載っている。
Maitai’s Picture Bookというブログには、ようやく入手した喜びと、数枚の写真が掲載されている。
ISBNコードが付いているのに、アマゾンでは扱っていない不思議な商品である。ニュースリリース時の価格は$150USDだったのが、部数が非常に少ないのか、現在ではアメリカのamazon.comで$260USD、日本のアマゾンでは、出品者からの販売で3万円弱からのプレミア出品となっている。ブログなどでも待ちわびた末にようやく入手という声が多い。
ちなみに、amazon.comには、1年前にアマゾンにオーダーしたが全く入荷案内が無かったうえに、結局配送日未定でキャンセルされたレビューが載っている。この写真集が出来上がった経緯などを考えると、この先しばらくはこれをしのぐ本は、なかなか出ないと思われる。
ちょっと高級な鞄ブティックなんかだと、ショーウィンドウとかお店のどこかにさりげなくディスプレイするだけでオサレに見えるかもしれないけど、この手の本は時間が経つうちに蒐集家の書庫にお蔵入りしてしまうので、入手希望の人は少々高くても今のうちに頑張って入手しておくほうがよかろう。

2011年 ランドセル展示会

ランドセル商戦がそろそろ白熱し始めているみたいです。
おもな工房系ランドセルメーカーの展示会スケジュールも大体出揃ってきました。
それをGoogle Calenderにざっとまとめてみました。

下記のうち、グリーンの表示は、ララちゃんランドセルの予定です。

※日付等、私の入力ミスのほか、追加展示、とりやめ等の変更があるかもしれないので、必ず各社公式サイトで確認してください。


 

Google Calender リンク先:ララちゃん以外
https://www.google.com/calendar/embed?src=jmmq197tg5ef991642doho9s1o%40group.calendar.google.com&ctz=Asia/Tokyo

Google Calender リンク先:ララちゃん
https://www.google.com/calendar/embed?src=info%40raraya.co.jp&ctz=Asia/Tokyo

ララちゃんランドセルは、なんと5月から展示会を始めて、7月には終了という超前倒し予定になっています。
中村鞄のニティランドセルは、7月、8月がピークで、札幌や広島、長野等の地方都市にも足を延ばしています。
反対にトヤマ鞄は、10月を展示のピークにしています。
土屋鞄は、中目黒、京都に続き、名古屋にランドセルのお店がオープンするようで、展示会の数は去年より減ったような気がします。
黒川鞄は、東京・有楽町に集中展示です。
神田屋は、関東周辺都市をきめこまかくフォロー。

Wikipediaに見るGoldpfeilの現状

アメリカのWikipediaに、Goldpfeilの現状について興味深い記事が載っていました。

http://en.wikipedia.org/wiki/Goldpfeil
のGoldpfeil in North Americaの項です。内部事情に詳しすぎて、なんだか自作自演の匂いもしますが、貴重な情報に変わりはありません。

以下に、ざっくりと訳した文章を載せておきます。意味が取れなかったところもあるので、きっと間違っている所があるはずです。気になる方は、原文をあたってください。
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2008年に、親会社Egana Goldpfeilとその関連会社は、破産管財人管理下に入った。
裁判所が指定した管財人の決定に従い、Egana Goldpfeil傘下のすべての会社は、独立したバイヤーに安く買われた。

支払い不能(破産)となる4ヶ月前、名高いGlodpfeilの収集家であるドイツ、Altötting 在住のKlaus Zielinski氏の仲介によって、古くからの収集家であるカナダ・トロントのEric Calladine氏が、6ヶ月間の沈黙の後、北米市場に再参入しないかと、オッフェンバッハのGoldpfeilにコンタクトした。

セールスディレクターAndreas Mann氏と輸出マネージャーKarin Disser氏とフランクフルト近郊のオッフェンバッハでミーティングしたのち、Calladine氏は、ブランドと3500を超える最新の第一級Goldpfeil製品の実質的な購入に関する北米での独占的な権利を確保した。

これら最新の第一級Goldpfeil革製品は、船便でカナダで運ばれた。Mann氏へのインタビューによれば、この在庫量は全世界のGoldpfeil革製品の中で最大の集積量であった。

程なくして、破産が執行された時点でCalladine氏はThe_Goldpfeil_Shop(E-bay ID)という出品者名と、The Goldpfeil Shoppe(eBay店舗名)というショップ名でeBay USで販売することを決めた。

Goldpfeilの破産によって、eBay USのThe Goldpfeil Shoppeは、2011年4月時点で、女性用ハンドバッグ、ブリーフケース、財布、Oxford ラインをはじめとするほとんどのGoldpfeil革製品、アクセサリーの世界でたった一つの新品の第一級のGoldpfeil革製品を購入できるチャネルとなった。

世界中のGoldpfeilを求める声は非常に高く、Calladine氏は、日本、ロシア、シンガポール、台湾、香港、ブラジル、サウジアラビアといった国々や、米国のほとんどの州に出荷した。需要は特にテキサス、ニューヨーク、カリフォルニアで強い。

————–

eBay USのThe Goldpfeil Shoppeはこちらです。

三洋バッグのホームページ

三洋バッグのホームページがリニューアルしているのですが、どうもコンテンツのリリースが中途半端な感じ。「近日公開」なコンテンツが多いのはまぁ仕方ないにしても、トップページ下の会社概要のページがリンク切れになっていたり(単なるURLの指定間違い)、動画コンテンツやTwitterも開店休業状態。これではホームページ運用する人は、楽天市場のショッピングサイトだけでも手一杯なのではないかと要らぬ心配をしてしまいます。(いずれ充実するのでしょうが)

http://www.sanyo-bag.com/

おまけにホームページ制作会社の制作中ページが検索エンジンに載っていてちょっと恥ずかしいし、なぜかブランド一覧ページだけ別サイトになっていて、これも普通のWeb制作ではやらないことです。

http://timsnavi.net/test/sanyo/

http://ondre.heteml.jp/sanyo-bag/brandlist.html

ちなみに楽天のホームページも、デザインの設定が一部間違っていて、デザインが不細工になっています。

以下は、三洋バッグのホームページということではなくWebホームページ制作の一般論ですが…

ホームページ制作者と意思疎通をとるのは、かなり大変なコミュニケーション・ワークです。会社トップの考え方から商品のマーケット、ホームページで実現したいこと、そして自分自身の体力…。

ホームページを制作する側は、コンテンツを増やしましょう、Twitterもやりましょう、Facebookも流行っています、YouTubeやUstreamで動画もどうですか?と、いくらでも一見魅力的な提案をしてきます。でも、その中身をつくるのはデザイナーではなく結局発注側ですし、責任を持つのも発注側です。

一方、ホームページ制作会社にしてみると、一人の担当者が一定期間にどれだけ沢山の仕事をこなすのかで売り上げが決まるわけですから、中身が決まっていないホームページをつくるのは、とてもリスクが大きいということになります。資金繰りのことも考えると、当初の日程通りに納品してしまわないといけないのに、なかなか中身が決まらないということになってしまいます。

結果、見切り発車のような形でコンテンツを公開してしまわないといけなくなってしまいます。

小さくはじめて徐々に大きくできるのがホームページのいいところ。スタートダッシュで無理をせず、コンテンツを積み上げてゆくことが大切です。

毎週1本は社員やお客様に手紙を書くつもりでコラムを書くなど、きちんと積み上げてゆく気持ちがあれば、よいホームページに育ってゆくと思います。

 

 

ベルマークみたいなもの

地震や原発禍の中長期的な支援のために、産業界が集まってベルマークみたいなものをつくってくれないかなぁ。これから必要なのは継続的に無理なく援助し続ける仕組みなんだけど、1年も経てばいろいろ慣れっこになってしまって援助がほとんどなくなってしまう。もちろん1年たっても売り上げの何パーセントかを支援に回す企業だっていっぱいあると思うんだけど、それって日常生活の中でほとんど無意識で終わってしまう。

ベルマークのようにある程度アナログな形で集めたり分類したりする制度があるといいのだけど。

ランドセルや運動靴でそういうことってできないのでしょうかね。

グッチ創設90周年:京都・金閣寺方丈でアーカイブ展に行ってきました

京都・金閣寺の方丈で開催されていた、GUCCI90周年のアーカイブ展に行ってきました。

震災の影響で外国人観光客が減っていると聞いていたのですが、それでも金閣寺周辺にはアジア系を中心に外国人観光客が沢山いました。きっとこれでも例年よりは少ないのでしょうけど。

さて、今回の展示は金閣寺のあの金ぴかの建物で行われているのではなく、拝観料を払う窓口の右の方にある、方丈といういわば僧侶の蟄居のような建物で開催されていました。

そのため、拝観料は払わずとも展示会だけを見ることもできます。しかも、方丈からはほんのちょびっとだけど、遠くにあの金ぴかの建物を見ることができ、小さくてこぎれいな庭を見ることができます。(それでも1200円という価格設定はどうなのかと思うぞ。)

見学する人は、部屋の外周をめぐっている回廊式の廊下をぐるっと歩いて見学するようになっています。てくてく歩けば1周1分程度で終わってしまいます。さて、さいしょは12畳ほどの畳の部屋が前庭に向いて3つつながっており、そこにGUCCIの鞄がシリーズごとに展示してあります。

方丈の写真は、下記のあたりで確認願います。

http://kyotomoide.exblog.jp/13271409/

http://kyoto-albumwalking2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0eff.html

 

展示そのものの写真撮影は禁止で、(説明員によっては庭はOKとか言っていたのですがよくわからなかったので、残念ながら画像はありません。)ちなみに部屋に立ち入ろうとするとセンサーが働いて回廊の角に立っている警備員に睨まれます。(笑)

最初の部屋にはディアマンテ、いわゆるダイヤ型の格子を意匠とした50年代から60年代の旅行ケース。

次の部屋には持ち手部分に竹を用いたいわゆるバンブーバッグを中心とする50年代のものとその最新作が展示されており、併せてヘンプ生地の絵柄をつけたシリーズやGG意匠のスーツケースなど明るい色目のバッグが並びます。

3つ目の部屋は、打って変わって黒いケースで構成。照明もやや落としてあり、前の2部屋とは違う雰囲気。黒の中に赤と緑を配した50年代のモデルを、90年代のモデルで囲んでいる構図です。

方丈の角を曲がると、こんどは4畳ほどの部屋が2つ。最初の部屋には白いバンブーバッグがひとつ。次の部屋にはブラウンのそれがひとつ。

角には有名な陸舟の松があり、立派な枝を石庭の海に広げています。そして、その向こうには金閣。このあたりバッグより庭の方が感動的です。

次の角を曲がると書院や庫裏に面した小さな苔の庭に面した部屋。襖絵や戸板の絵は冬の情景。そして展示してあるスーツケースは1930年代のベージュ(ほとんど白)中心で構成。

ここでようやくパンフレットに書かれていたストーリーの意味を理解する。つまり、襖絵、戸板絵と展示の流れにつながりがあるわけだ。

ぐるっと回り込んでこんどは、背景や前庭との関係を楽しみながら2周目。

仙人が遊ぶ図、深い森の図、渓流と花の構図等、狩野派の絵を背景としてバッグを見てゆきます。一部屋目とふた部屋目の境のふすまを少し開け、そこにバンブーバッグを置いているのは、仙人を深い森に誘うための仕掛けだったりするわけで、そこが監修者日本画家の千住博京都造形芸術大学学長の意図するところなのでしょう。

GQの編集長代理 竹内 大さんのブログエントリー「グッチが金閣寺で、仙人に出会った〜!」に、そのあたりのことが書いてあります。

面白いコラボですが、近くに立ち寄ってじっくり見るということができなかったことや、トランク等を開けて展示しているものがひとつも無かったことが残念といえば残念です。また1930年代以前の鞄が無く、アーカイブとしてはやや物足らず。

まぁ、方丈自体が普段公開されていない場所であり、その襖絵は17世紀の狩野派の絵だといわれています。方丈の特別公開に1000円、グッチに200円ぐらいの価値感でしょうか。

あ、あとこの展示会は、10月に京都造形芸術大学、11月には銀座のGUCCIで開催されるとのこと。どのようなコラボになるのでしょうか。

 

2011年7月金閣寺方丈でのGUCCI展示のパンフレット表紙

 

これは、配布された冊子の表紙。昔のパンフレットからの転載なのでしょうか。冊子の中には説明無し。

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年7月金閣寺方丈でのGUCCI展示の説明資料

こちらは、部屋と展示物の関係を示した資料。

バッグの配置は、展示の配置と同じになっていて気が利いているが、襖絵の写真がモノクロで良く見えず、ストーリーが追いかけづらい…。