【本】カバン・モノ No. 1

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ワールドフォトプレスのムックシリーズ。モノ・マガジンのロゴを使ってはいるが、内容は他のワールドフォトプレスの鞄シリーズとあまり変わり映えはしない。鞄スタイルNo.4.5と言ってもよいだろう。たとえば、鞄のチカラや鞄スタイルのシリーズにも書いている、河村喜代子さんが構成する『「運ぶ」のオマージュ』シリーズがここにも入り込んでいるし、巻末のカバンはニュースだ、のコーナーなどそのままである。意地悪く言えば、同工異曲といったところだろうか。

本文に入る前にちょっと目を惹いたのは、グレンフィールドがルイタータッセンの広告を出していたこと。広告の片隅には、企画ベルギー、製造チュニジアと書いてあります。革はベルギーのタンナーが供給しているようだ。本文の冒頭は、ヘンリープール(Henry Poole) のダレスバッグ。ヘンリープールといえば鞄メーカーというより紳士服メーカーだが、25万円以上もするダレスバッグを出してきた。「日本の技術を生かした」とこっそり書いているが、どこで企画してどこで制作しているんでしょう。あとは、リモワの丸の内店が10月にオープンした話題が載っている。

続いて「運ぶのオマージュ」はバックパックの特集。1926年のFilsonのカタログとか、1935年の米国の雑誌「Outdoor Life」とか、いつもながら、濃い内容です。いつかは1冊にまとめて「運ぶのオマージュ」という本にして出してほしいものだ。

次は、今回の本題である「世界の傑作鞄」。PathfinderやVictorinox等のソフトケースや、ProtecAやRIMOWA、BERMAS等のハードケースから始まり、Andiamo、BRIEFING等のナイロンビジネスバッグ、Tanizawaや大峡製鞄の革鞄と続いてゆく。Zero Halliburtonがナイロンバッグを前面に出して紹介しているのが最近の特徴のように感じる。続いてPorterやBusyBeaber等のナイロン鞄、Gravis等のメッセンジャーバッグと続き、バックパックにつながってゆく。GoLiteやモンベルのZero Point等も載っていて、セレクションはなかなか渋い。そのあと、アイデアバッグというカテゴリーで、タイヤチューブのバッグとか間伐材の木製エコバッグ等も載っているのだが、世界の傑作鞄というにはどうかと思う。

 続いて第二特集は、「旬のバックパックカタログ」となっている。カタログというには少々ページ数が足りないが、ICI石井スポーツのバックパック選びのページはもう少しほしい。トレッキングを目的とした選び方だけではなく、タウン歩きの場合にも生きるようなアドバイスがあるとよかった。

Lowproやカミーユ・フォルネの広告をはさんで、次はミリタリーバッグの特集。これも良いと思うのだが断片で出されると面白くない。1年に数冊出すのであればもっと徹底してテーマを絞り込んでほしいところ。「運ぶのオマージュ」あたりとテーマがうまくかみ合う部分もあると思うのですが。

「ヒコ・みづの」のイタリア研修レポート等の広告をはさみながら、元気のよいカバン屋さん探訪の記事へ。東京近辺の大野カバン店@三軒茶屋、レオマカラズヤ@神保町、ヒロセ@三鷹、WORKS@上野をリポートしている。もしかしたらこうした街の鞄屋さんのある風景、あと20年もしたら大きく変わっているかもしれないので、しっかりと写真に焼き付けておいてほしいところです。

ちなみにカバン・モノ次回号は2009年3月発売らしいです。「日本3大カバン産地を往く」という企画にすこし惹かれます。ぜひ、その次はファスナーや錠前造りの現場に潜入してほしいところです。