【本】鞄スタイル No.3 革のカバン

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ワールドフォトプレスの鞄カタログ本。次のNo.4は2008年初夏の発売予定だそうで、完全に季刊のムックになっていますね。個人的には発行間隔をもう少しあけて、その分取材テーマをもっと固めて深めて欲しいと思います。今回も、前半こそ革の話題なのだけど、後半は革とは関係の無い旅行カバン関係の話題です。結局タイトルの文字は、雑誌の第一特集記事程度の扱いという感じです。 さてNo.1の「今売れている鞄」。No.2の「キャリーバッグ大集合」に続き、No.3のサブタイトル(というか第一特集記事)は「革のカバン」です。取材の範囲は基本的に国内。特集で出てくる鞄もほとんどは国産の鞄。願わくば、社名のとおり”ワールド”フォトプレスで頑張って欲しいところです。まぁ、実際に海外のカバンや皮革製造の現場を深く掘り下げるとなったら予算的にもちょっと厳しいのでしょうが。(だけどいつかはイタリア編とかフランス編とか総力取材で作って欲しいものです。)◆鞄スタイル3の構成は以下のとおり。まず、革鞄の覚醒というコピーから始まり、革の鞄に関する基礎講座です。案内人は銀座タニザワさんと皮革販売会社ストックさん。基本的な用語や仕組みの説明があります。

それに続き、銀座タニザワ、イサブロー1889、ソメスサドル、万双、土屋鞄製造所、ラスティカ等のお店紹介が続きます。土屋鞄製造所の企画、製造担当者へのインタビューなどが目新しいところ。

更に細切れにシルバーレイククラブ、C Company、BREE、Property of、松崎のBienenwabe、INDEED、Daniel&Bob、鴻池製作所、コペルト、林五のRed Bridge、Rustic、エルゴポック、Messe、Lexiard.jp、グローブレザーのトライオンなどの鞄ブランドの紹介が続き、青木やハンティングワールドの記事が載っています。面白かったのは青木の紹介の後、その実際の製造会社になる猪瀬商店の工房が載っている事。あと、ISABURO1889のデザイナーのお姉さんが美人(^^;。カタログ的なノリなので、広告と記事との区別がほとんど無いような世界です。

次にオーダーメイドについての説明。船橋のかばん工房エンドウの工房が載っています。この本最大の見所かも。先代から使っているという年季の入った「馬」等はいい感じである。革鞄に関する説明はこのあたりまでで73ページ。130ページほどあるこのムックの丁度半分です。

ヒコ・みづの「バッグメーカー」コースの紹介を挟んで、「鞄のデザイン・アイデアの素」と続きます。さとうみつおさん、シルバーレイクブランドを立ち上げたイケテイの吉田常務、ラガシャのデザイナー奥野さんなどへのインタビュー記事があります。

モルフォのスマートケース、カンザンの木を削りだしたハンドルのナイロンブリーフケースの紹介に続き、ビジネスキャリーバッグの特集です。大沢商会のPathfinder、Andiamo、衣川産業のBermas、ホクタンのファイバー鞄、Victorinox、Samsonite、Progress、Delseyと盛りだくさん。Andiamoのキャリーバーには一種の機能美を感じます。そういえばここ数年のキャリーバッグのイノベーションはホイール構造とキャリーバーにシフトしているように思います。

最後はいくつかのビジネス向けナイロンバッグを並べ、毎度好例の「鞄はNEWSだ」のコーナーと流れてゆきます。堀切の猪瀬がリリースするフラソリティの紹介などがありますが、注目はHarvest Labelをデザイナーした山口幸一氏のWeldというブランド。エースで発表したOut of the Blueが昨年投売り状態になって消えてしまったかと思ったら、今度はロワードからのリリースですか。でも、写真を見る限り、(ディテールは別として)大づかみなデザインは吉田カバンのタンカー時代に戻ったような感じがします。値段設定も極めて低めだし。Out of the Blueのセンスはちょっと付いてゆけなかったけど、それでもああいうエッジの利いた鞄を発表してゆく懐がどこかに欲しいところです。

追記: 掲示板にコメントをいただきました。
青木と共に掲載されていた猪瀬昇さんは猪瀬商店の方で、フラソロティは猪瀬商店とは別の株式会社猪瀬のブランドで、両社は別の会社とのことです。(私は混同していました) 業界では、猪瀬商店を荒川(南千住)の猪瀬、株式会社猪瀬を堀切の猪瀬と呼んでいるそうです。猪瀬商店は、鞄業界ではミガキの猪瀬として有名で、株式会社猪瀬代表の猪瀬昇一さんは社団法人日本鞄協会の理事長代行をされている方とのことです。勉強になりました。