【本】鞄スタイル No.1、No.2

ワールドフォトプレスの鞄カタログ本。このあとナンバーいくつまで出るのかよくわかりませんが、緩めのテーマで編集しています。No.1は、「今売れている鞄」。No.2は、「キャリーバッグ大集合」。キャリーバッグを特集したムックというのはなかなか珍しい。ただ、キャリーバッグと言ってもビジネスで使うキャリーバッグが大量に載っているわけではなく、日本国内で手に入るスーツケースが載っているという感じである。オーバーナイターや大きめのブリーフケース等の記事も相当量多い。なにか鞄を探そうという人にとってのカタログとしては少々役不足であろうし、万年筆や時計のようなコレクターの心をくすぐる機能美を表現するには文章や特集の切り口が違うような気がする。とはいえ、ビジネス系のしかもナイロン鞄やトラベルケースといった普段日の当たらないアイテムを中心にこれだけの記事を注入するのはなかなかのことである。もしNo.3が出るの出れば、エースの耐久試験の現場とか、錠前、フレームといったパーツメーカー、テキスタイルメーカーの現場まで降りて掘り下げていってみてほしいと希望する。

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◆鞄スタイル1の構成は以下のとおり。

まず、「鞄の中身」として著名人が持っている鞄とその中身拝見のページ。3900円の鞄を使う森永卓郎や、普段はビニール袋が鞄代わりと言う横尾忠則などのショルダー鞄など、なかなか面白い。次に、「今一番売れている鞄」という大特集のページが来るのだが、これが、(1)ビジネス系、(2)トロリー系、(3)フィールド系とわかれている程度で、あまりまとまっていない。ちなみに、このトロリー系の大特集版が、鞄スタイル2の中心に据えてあるように感じる。

その次に、主要ブランドの特集ページが来る。TUMIに10ページ。久しぶりに雑誌で見るBREEに3ページ、ビクトリノックス3ページ、キプリス1ページ、吉田カバン7ページといった具合、その次に15ページの豊岡鞄大特集が来る。結局ブランドではなく「売れている鞄」というくくりで考えると、年間出荷額200億円ともいわれる豊岡を避けては通れないのであろう。記事中の兵庫県鞄工業組合の高島さんが語る「目指すところはドイツのゾーリングゲン市のようなかたちだと思います。」という言葉はなかなか重たい。

最後に、東京発信の日本の鞄ブランドがいくつか並ぶ。次のパートは鞄伝説。リモワ、グローブトロッター、紀ノ国屋のショッピングバッグ等の話が並ぶ。最後は、東京消防庁や陸上自衛隊で活躍するバッグと月刊誌で扱いそうな鞄関係の雑多なニュースで構成されている。…というわけで、鞄をセレクトするのにこのムックを手に取ると、よけいにまとまらなくなるのじゃないかと思います。

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◆鞄スタイル2の構成は以下のとおり。

イントロダクションとして、エースが浅草で公開している「世界のカバン館」に訪問して、印象深い鞄をフィーチャーして紹介。次に本題のキャリーバッグ大集合のパートが来る。ここでも前半はほとんどエースの蒐集資料に頼っている感じ。

次は、スーツケースなどの大型鞄のカタログ。久しぶりに見る新生Bermasエースのtabiやプロテカ、吉田カバン、ソフトラゲッジもたくさん出しているBREE、山一のアクタスエグザ、ビクトリノックス、リモワ、TUMI、サムソナイト、ちょっと使う気になれない桜のデザインのヒデオワカマツ、ファイバー鞄のホクタンなどが並んでいる。丈夫さを競っている素材の徹底比較やら、内装やロック機構、ホイールの違いなど、素材や機構の違いなどにもっと突っ込んでほしかったと思う。

 次に、仕事用の旅カバンとして、オーバーナイターや小型のキャリーをターゲットにした特集である。さきほどのブランドに加え、KANZAN、マンハッタンパッセージ、ビジィビーバー等が少し載っている。

ここからあとは、なんとも収拾がつかない雑多な鞄の紹介である。マンハッタンパッセージのページがやや多め。興味を引いたのは鞄スタイル1でも広告が多かった「ヒコ・みずのジュエリーカレッジ」の授業風景などを特集した9ページにわたる広告(?)記事である。鞄職人を育成する側面と言うのは広告であれなんであれ、あまり触れられることのなかった部分であり、もっとこういう場面で記事になっていってほしいと思う。

最後は東京鞄ショップガイドということで新宿伊勢丹メンズ館、アウトパーツ丸の内店、有楽町トコーをはじめ、ビクトリノックスやエースジーン、サムソナイトブラックレーベル等のショップガイドと続く。