【整理→目的論】鞄を多目的に使いすぎるな

「大は小を兼ねる」という言葉があるが、一般論でいうならば鞄にもこのことが当てはまる。 店頭で買うのを迷っていたら、店員さんもそう言って大きいほうをすすめるはずだ。

すなわち、比較的オーソドックスなデザインの少し大きめの鞄が一つあれば、通勤用にも、日々のビジネスにも、短期の出張やちょっとした外出の時など多目的に使える。

だが、この多目的に使えるというのが案外落し穴で、これが鞄の中がうまく整理できなくて、しかも鞄が重くなる原因になりやすい。

というのも、大きめの鞄を多目的に使おうとすると、イザという時にあれば便利だというものが少しずつ増えていくことになるからだ。

いくらでも入るからと、万一の雨に備えた折畳みのカサ、とうてい一日で読めるはずもない量の文庫本や雑誌類、訪問件数を上回る会社のパンフレットや商品カタログ、ほとんど出先では使うことのないハサミ、カッターナイフなどの文房具、予備の伝票類や筆記具、名刺、果ては裁縫道具といったように、実際に使うことはほとんどないのに、万一の場合にはないと困るというものがどんどん鞄の中にストックされていく。

これが習慣化すれば、これらのどれが欠けても外に出られないという結果になる。たとえば、急に雨が降り出したとしても、駅の売店やコンビニに飛び込めば数百円でビニール傘が買える。また、その日の訪問予定先がきちんと決まっていれば、余分のパンフレットや商品カタログも持ち歩く必要はない。

事前準備を万全にしておけば、不必要な文房具類を持ち歩かなくても済むし、少し工夫すれば代用品で間に合せられるものも少なくない。

ビジネスマンにとっての鞄は、「移動するオフィス」とか、「動く書斎」などと呼ばれることがある。 たしかに、鞄にはそのような側面がないわけではない。しかし、こんな言葉に惑わされてしまってはいけないと思う。

東京・大阪間を移動する三時間近い時間を有効に利用して溜まっている雑用を片づけてしまいたいというのなら、まだわからないで話はない。

だが、ラッシュの通勤時間や移動中の電車の中、わずかな空き時間を利用して喫茶店や営業車の中でといったように、細切れの時間を使って仕事を処理しようとしても、それほど効率があがるものでもない。そのために中身が増えて、パンパンに膨らんだ大きくて重たい鞄を持ち歩くのは、かえって非効率的である。

整理整頓の最大の秘訣は、不要なものを捨ててしまうことだと言われるが、鞄にも同じことが当てはまる。特にビジネス用の鞄は、他の目的に使う鞄とは区別し、必要最小限のものしか入れないという鉄則を守ることが大きなポイントである。

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