【購入選択】鞄の機能を熟知しよう

日本の鞄業界がどのように鞄を分類しているのかというと、考え方にによってさまざまで、箱物と袋物に分けているところもあれば、学生用、事務用、運動具用、小旅行用、長期旅行用、レジャー用、その他に分けていたり、男性用、女性用、子供用に分類しているところもある。

箱物と袋物に分けるのは、工業的な起源による。もともと女性の装飾具・雑貨として生まれてきたのが袋物。 男性の場合は煙草(莨)入れ。今でいうと財布や小物のような世界に通ずるところがある。 それに対し箱ものは、文字通りケースが発祥である。木箱や柳行李等の世界である。 今となってはほとんど意味がないとも思われるが、職人の世界では今でもそれなりに世界がわかれているようだ。

用途に違いはあっても鞄の基本的な機能は、中身を保護する役割と、持ち運びやすくするという二点である。

大量の現金や宝石などの貴重品、あるいは陶器製の美術品やカメラの機材、デジタル機材といったデリケートなものを運ぶ場合には、持ち運びやすさより中身を保護する機能が要求される。アルミなどの金属製素材の鞄や厚いパッドの入ったものがその代表だ。

だが、我々が普段使う鞄は、中身を保護するというよりも、持ち運びやすさが大きなポイントとなる。

持ち運びの機能を優先させるには、握り手が自分の手に馴染むかどうか。ショルダーストラップの長さや太さが身体にマッチするかどうか。 しかも、軽量で柔らかな素材が使われているかどうか。 また、重いものを入れた時の重心の位置なども入念にチェックする必要がある。

また、同じビジネスマンであっても、必ずしも鞄を仕事の効率アップの道具だととらえている人ばかりではない。 いかにも仕事ができそうだというイメージを相手に与える演出のための小道具だととらえている人もいる。 これも間違いなく鞄の機能の一つだ。

女優・俳優の世界では、手に何も持たずにきちんと演技することは、とても難しいこととされているらしい。 指先まで神経を行き届かせてきちんと演技をしないと、いくら顔を作ってもマヌケな演技になるのだという。 そこで監督は、演技の下手な俳優には鞄を持たせたり、ポケットに手を入れさせたりして演技がばれないようにするのだとか。 おそらく商談の場でも、同じ事があるのだろう。これもまた鞄に与えられた機能の一つかもしれない。

一方で、鞄の機能性よりも社会的なステータスを暗示させることにウエートを置いたり、おしゃれやファッションの重要なアイテムの一つと考える人も増えつつある。 根強いブランド志向が、このことを物語っている。

ファッション性を重視するのであれば、展示してある姿に惑わされてはいけない。 とくに美しい鞄が醸し出す優美なシルエットは重要である。 しかし時に柔らかすぎる鞄は、ものを入れた時に形がかわり、しわが寄り、優美なシルエットが台無しになることがある。 あるいは、空っぽの状態では鞄がふにゃりと折れ曲がってしまうようなものもある。 本体が美しくても、ショルダーストラップが細くて、スーツにしわが寄りやすい鞄などもある。

ことビジネスに関するかぎりは、ファッション性よりも持ち運びやすいという機能を最優先すべきであろう。 もちろん、それぞれ趣味、嗜好もあるので、ブランド物や凝りまくったデザインのおしゃれな鞄を持つなと言っているわけではない。

しかし、高価なブランド物やファッション性の高すぎる鞄を普段の仕事で使う時には、かなり注意しないとイメージに踊らされている軽薄で人間だと思われたり、嫌味なヤツだという噂が立たないとも限らない。

また、鞄とスーツやネクタイ、他の小物類とバランスがとれていなければ、かえって不自然な印象を相手に与える。 さらに、鞄を気づかうあまりにフットワークを悪くするケースもある。

相手によって持つ鞄を変えるというのも演出の一つ。一流品、高級品はTPOを考えて、ここぞという時までとっておくのも悪くない。

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