既成の鞄は未完成品

大きさやデザイン、カラーバリエーションも豊富な商品の山の中から、デザインややフィット感を入念にチェックし、「これが一番」と選んだはずの鞄だったにも関わらず、実際に使いはじめてみるとイマイチ使い勝手が悪い。

「買った時には、ずいぶん気に入っていたはずなのに……」。鞄に対してこんな不満を持ったことはなかっただろうか。せいぜい月に一、二回しか使わない出張用の鞄、あるいはレジャー用の鞄なら多少のことはガマンできても、身体の一部にしてしまいたいビジネス用の鞄となるとそうはいかない。

たしかに、ポケットや間仕切りもついているし、それほどほかの鞄と大きく構造的な違いがあったわけではない。だが、どことなくしっくりこなくて使いにくい。

これはある面仕方のないことなのだ。既成の鞄というのは、万人向けにつくられていて、個人のかゆいところに手が届くような構造になっていなかったり、これだけは必要だという機能が付与されていなかったりするいのことも多い。特にデザインを重視して鞄を購入すると、こういった不満を持ちやすい。

本当に鞄を使いこなそうと思えば、既成の鞄は未完成品だと割り切らなくてはいけない。未完成品だからこそ、自分自身のアイデアと工夫で鞄の完成度を高めていく使いやすくしていく必要がある。

鞄のショルダーが使いにくければ、取り替えてしまう。メインの部屋に余計な携帯電話用の仕切りがあって、かえってものが入りにくいというのであれば、思い切って取ってしまう。ソフトタイプのショルダーバッグがすぐに型くずれしてフニャフニャになってしまいやすいのであれば、鞄にピッタリ納まるプラスチックや紙のケースで補う。このような工夫をすれば、鞄の使い勝手はよくなっていく。

 最近はいろんなタイプのショルダーストラップが単品で売られている。もし、今使っているものの具合がよくないのであれば、自分の気に入ったものに交換するなど、自分自身の使い方に応じて鞄の完成度を高めていくことが重要だ。

ショルダーストラップを交換するというのは、実は女性用のハンドバッグでは結構ポピュラーなやりかただ。ネットを検索すればいろいろと出てくる。

こちらはベーシック布テープのショルダーストラップ。肩パッドなども付いていないので自分でいろいろ着脱する楽しみがある。

たとえば下記は、YOUTA BAGという東京・人形町の鞄店で扱っているバッグの交換用ストラップだ。たいていのバッグは綾織の丈夫な布テープ素材のショルダーストラップであるが、こういう革製のストラップに変えるだけで表情が変わる。

これはもう少し豪華なストラップ。肩パッドにはジェル状の緩衝材GELTRONを使用していて、肩への食い込み無い。


(c)Copyright 2016, Hiroshi Ohtagaki All right reserved.