日本人は無類の鞄好き

どうして日本のビジネスマンは鞄が手放せないのか NHK BS-1「地球アゴラ 田原総一朗と世界のカバン」を見てでも少し考察しているが、日本人は世界でも無類の鞄が好きな民族なんだろう。

人生を振り返っても、保育園、幼稚園時代の肩掛け式の黄色い鞄にはじまり、小学生時代のランドセル、そして学生鞄、社会人になってからも鞄は必携品であった。街を歩いている人を見ても、誰もが鞄やバッグ、紙袋などを携帯しており、手ブラで歩いている人はごくごく少数派である。

だが、海外ではこんな光景は珍しい。たとえばアメリカにはランドセルはないし、ハイスクールの学生が全員同じデザインの鞄を持ち歩いているようなこともない。スーツにネクタイ姿のビジネスマンが小型のアタッシュケースを下げていることはあっても、若いOLがブランドもののバッグを片手に通勤しているような姿も見かけない。欧米では、「ブランドもののバッグを抱えて、街を闊歩している若い女性は間違いなく日本人観光客」とまで言われる。

アジアの国々でもお国柄があって、それぞれ鞄に対する考え方は異なるようだが、日本ほど鞄を持っている人が目立つ国はない。休みの日にフラリと街に遊びに出かける時など、本当は何も持たないのが一番ラクで、身軽に動けることもわかっているのだが、とにかく鞄を肩に掛けなければ落ち着かない。中身といってもこれがなければといったものが入っているわけではないのに、鞄がないとなぜか物足りなくて、安心して表に出ることができない。

多くの日本人は、どこかにこんな気持ちを持っているように思う。(正しくは「ここ数十年の日本人」なのだが)

海外へいくと、男性でも鞄やバッグが明らかにファッションアイテムの一つになっていたり、なにがしかの目的があって鞄を携帯しているということがよくわかる。すなわち、持っている鞄によって、その人が今から何をしようとしているのか、推測のつくことが少なくない。

ところが、日本人の場合はその部分があいまいで、どちらかといえば、鞄はファッションの一部や道具というよりも、ひとときも手離せない、いわば身体の一部になってしまっているのではないだろうか。

それだけ身近な存在であるのにもかかわらず、鞄に強い関心を持っている人は少数派である。購入する際の選び方、使いこなし方にこだわりを持っている人、あるいは普段持ち歩いて鞄を小マメに手入れをする人も稀だ。

私は鞄の専門家ではない。しかし、鞄と関わりあいを持つようになって、業界をはじめ、鞄に対する愛着や憧憬の深い人たちと交流することによって、知れば知るほど奥が深くて、興味の尽きない鞄の世界に見入られてしまっている。

そうした中から話題性や意外性があり、ビジネスマンにとって知っておくと必ず役立つものをピックアップして紹介していきたいと思う。

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