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昭和8年 服装雑貨年鑑

2012/4/8 0:00:55 著者 太田垣 博嗣

服装雑貨年鑑は、片桐祐七郎が昭和初期に編集した当時のファッション業界情報を網羅した書籍。 国会図書館でデジタルライブラリーとして閲覧することができる。この年鑑には、各業界回顧という、業界ごとの1年間のトレンド振り返りの章があり、ネクタイ、メリヤス、帽子といったアイテム毎にその動静が書かれている。

今回、国会図書館のデジタルライブラリで、片桐祐七郎が編集した以下の本を閲覧してみた。

  • 服装雑貨年鑑 昭和 8年版 ア・ラ・モード社 昭和 7年(1932年)
  • 服装雑貨年鑑 昭和 9年版 ア・ラ・モード社 昭和 8年(1933年)
  • 服装雑貨年鑑 昭和10年版 ア・ラ・モード社 昭和 9年(1934年)
  • 服装雑貨年鑑 昭和11年版 ア・ラ・モード社 昭和10年(1935年)
  • 服装雑貨年鑑 昭和12年版 ア・ラ・モード社 昭和11年(1936年)
  • (昭和13年版は無し)
  • 服装雑貨年鑑 昭和14年版 ア・ラ・モード社 昭和13年(1938年)
  • 服装雑貨年鑑 昭和15年版 東亜服装雑貨商社 昭和14年(1939年)

編者の片桐祐七郎について、詳しくはわからないが大正時代から広告業界の本を多く残している。

  • 実務本位広告辞解 : 附録全国広告業者名鑑
  • 営業別日本小売商店名鑑 1925年
  • 広告実務の研究 1924年
  • 広告講習録 1927年

等がある。

昭和13年版は出版されていないのか欠本なのかは不明だが、その出版年であるべき昭和12年(1937年)は、盧溝橋事件、支那事変が起こり、ヨーロッパではスペイン内戦でナチスドイツがゲルニカを爆撃した年でもある。また、軍機保護法や「ぜいたくは敵だ」の国民精神総動員等が行われた年であり、何らかの理由で出版できなかったのではないかと思われる。 また、昭和15年版では社名が東亜服装雑貨商社になっていて、戦時色を思わせる。

 

昭和7年(1932年)の鞄業界(服装雑貨年鑑 昭和8年版より)

昭和7年は、3月に満州国が建国され、5月に犬養毅が暗殺されるなど、不穏な空気が流れ始めた都市である。

この年の動静として、以下のような記述がある。

  • 紋物の皮地よりセピア物の如き誤魔化しの利かない皮地のものが漸次売行が増加
  • 函物は益々廃れボストン、グラツドストン型が多く、殊にボストン全盛の感
  • サイズも小型が断然優勢で、大型も漸次制限せらるる気味がある
  • 婦人用の鞄は益々贅沢になって来た。然し二、三年前のハンドバッグの如きデコレートされたものは余り受けなくなった

もうこの時期には業界ではボストンバッグという言葉が普通になっている。

 

昭和8年(1933年)の鞄業界(服装雑貨年鑑 昭和9年版より)

  • 概して言ヘば昨年度の特徴をより一層顕著にしたにすぎない。即ちその傾向を分類して
  • 小型旅行鞄の売行益々増加の傾向
  • 箱物に変る所謂提物の流行
  • 婦人持小型鞄の売行増大
  • 従来流行しつつあつた装飾的の鞄は漸次影をひそめてデザイン及色調が著るしく単調身を帯びて来たこと
  • 全般に亙りスポーツ趣味が益々加味されつつあること
  • 交通機関の発達に伴ふ距離の時間的短縮により旅行が簡便化されこれに日常生活のスピードアップが影響して益々軽便な旅行を好まれる結果鞄も勢ひ小型を愛用されることになる。
  • 或る業者の一か月間の売高統計に依つてもボストンバツグ(即ち尺一寸乃至尺四寸物)が数量に於いて断然首位を占めているのを見ても明かである。

前年からの傾向で、箱物が減り、手提げ型のボストンバッグへシフトしている。スーツケースはグラッドストーン型に変わってきているという。この時代のスーツケースというものが、いまのスーツケースと同じイメージなのかどうかは注意が必要であるが、トランクのようなものから手提げのようなものに変わっていると考えたらよいだろうか。

また女性の社会進出によりこちらも「ボストンバツグとグラツドストン及びフアツスナーのついたバッグ」が多く、ハンドバッグの大型化つまり抱え鞄に類似する形が表れてきているとの記述もある。

この年は猛暑だったらしく、女性の夏服は洋装が一気に進んだようで、そのことも女性向けバッグの需要に関係があると書いている。 また、「フアツスナーのついた」ラグビーボール型のバッグやゴルフバッグのようなスポーツ関係のバッグも増えているとも。別途鞄にファスナーが採用され始めた端緒を調べる必要もありそうだ。

素材としては、ピッグスキン(豚革)と鰐革が流行し、押紋皮に飽きた消費者が自然な飴色の豚革を好む傾向にあるという。 色の流行として「淡褐色、淡緑色、銀鼠等が不相変全盛」と書いている。

 

昭和9年以降はまた後日…

 

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